川端康成『雪国』あらすじ 感想 登場人物紹介

『雪国』の表現方法

『雪国』には、結局何が起きたのかよくわからない、と言う場面が沢山あります。

例えば島村と駒子が出会った夜、ひどく酔っ払った駒子が島村の部屋を訪ねたとき、島村と駒子は二人は男女の仲になったと先ほど書きました。

実はこれは推察にすぎません。

文章ではそういったことは一言も書かれていないのです。

文章を読んでいるだけでは、駒子がよっぱらって苦しんだり、とりとめもないおしゃべりをしたり、島村の肘にかみついたり、しているだけに見えます。

二人が抱き合う場面があったり(といってもこれもはっきりと抱き合ったと書かれているわけではなく、前後の分から想像するだけです)、駒子の島村への態度が親しすぎるのでそうではないかな? と思うだけなのです。

他にも具体的には何を意味しているのかわからない、しかしなんとなくはわかる、そんな文章が続きます。

駒子と葉子、行雄、駒子の師匠の間には複雑な人間関係があったことは、間違いありません。

しかし具体的にどうして駒子が行雄の危篤に帰ろうとしないのか? 行雄と師匠の墓参りをしないのか、については具体的には書かれていません。

また葉子がどういう立場の女性だったかについても、はっきりと書かれていず想像するしかありません。

『雪国』の登場人物

島村

東京に住む無職(高等遊民)の男、色が白くて小太り。西洋舞踏についての著作がある。妻帯者。

駒子

温泉街に住む若い芸者。

踊り三味線の師匠(女性)の内弟子、養女?

師匠の息子行雄の治療費を稼ぐために芸者となる。

島村に出会う前におめかけさんをやっていたことがあるようで、その「旦那」は亡くなったそうです。

それ以外にも長い付き合いの「旦那」あるいは「恋人」がいるらしいが、ぼんやりとした関係で、彼女がつらくなるほど熱く恋をしているのは島村ただ一人のようです。

行雄

駒子の踊り、三味線の師匠の息子。

葉子の恋人。

東京で勤労学生だったが、腸結核のため田舎に戻り、そのまま亡くなる。

葉子

行雄の恋人。

行雄とともに東京に行っていた。

悲しいほど美しい声の持ち主。

彼女はどういう立場の女性かは不明。

駒子とは表面的には親しげ。

acworksさんによるイラストACからのイラスト