小説『小虎』第4章 小虎(5) 

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悪餓鬼どもが方々に散っていくと、
お兄さんは険しかった顔をゆるめた。

私をふりむいた。

「家はどこ? 怪我をしているから送ってやるよ!」

道すがら話をした。

少年の名前は木林虎之助。

でも彼の叔父さんの名前も虎之助だったので皆、
彼のことを小虎と呼ぶという。

隣の小学校に通っていて、
私より三学年上だった。

私が自己紹介をすると、
小虎は驚いた顔をした後、
訳を説明してくれた。

彼の母親が私の祖父と父の経営する病院で
受付の仕事をしているのだという。

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