小説『小虎』第23章 さよなら故郷(6)

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今日リクさんが家に来たのは私の問題だった。

数日前、
母が庭で黒い野良猫が死んでいるのを発見した。

母は不吉なものを感じたという。

ふと顔を上げると、
そこは私の二階の部屋の窓の真下だったそうだ。

私はそういえばその日の午後から夜にかけて母が落ち着かない様子だったことを思い出した。

その晩十時頃、
父が病院から帰って来た。

母はその日私の部屋の窓の真下で死んでいた黒猫の話を父にした。

父は翌朝、
リクさんに電話をしたという。

おシマさんの妹さんなんだから確かな人に決まっているだろう!
というのが父の言い分だった。

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