小説『小虎』第17章 友との帰省(2)

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帰省は夏休み以来半年振りだった。

クワイヤの大会に向けた練習が忙しく、
冬休みは帰らなかった。

代わりに家族が近くの新幹線が止まる駅まで来て、
そこのホテルでお正月を過ごしたのである。

じつは入学してからあまり帰っていない。

私が休みが近づくたび父に電話して何日に帰るか?

新幹線のチケットはどうとるか相談するのだが、
父はたびたびこう答える。

「スグル、帰るの大変だろ!
無理して帰らなくていいぞ!
代わりに母さんとさとみが会いにいくから!」

短い冬休みと春休みはこうして私は家に帰らず、
逆に母と妹が会いに来ることで済ませてしまうことが多かった。

父と二郎叔父は休みに関係なくおのおのの都合に合わせて会いに来る。

その年春休みに帰ることにしたのは、
中学から高校に上がる春休みはいつもより期間が長かったためである。

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