【フリー朗読台本】夜中目を覚ますと飼い猫が人間になっていました【497字:一人用声劇】

猫耳少年

朗読(声劇)台本としてお使いになる際の注意事項

あっ!
お姉ちゃん、目が覚めたの?
さっきまであんなにぐっすり眠っていたのに。

えへへ、つまみ食いしてごめんね。

でも一枚ぐらいいいでしょ?

えっ、僕はだれかって?

お姉ちゃんがよく知っている子だよ。

幽霊かって?

違うよー。

じゃあ泥棒かって?
確かに泥棒かもね。
チョコレート泥棒。

えっ、ドアも雨戸も鍵をかけていたのに、どこから入ったって?

僕はこのおうちにずっといたんだよ。
さっきまでお姉ちゃんの足元で丸くなっていたけど、こっそりお部屋を抜け出て台所にきたの。

まだわからない?
僕はミーニャ。
3ヶ月前にお姉ちゃんが拾ってくれた白猫のミーニャだよ。

さっき月の光を浴びて人間に変身したんだ。

ふふふ、驚いた?

えっ、冷蔵庫の前で何ごそごそしているのかって?

あのね、あのね、僕ずっとチョコレートを食べたかったんだ。
お姉ちゃんが毎日会社から帰ってくると、冷蔵庫から出して美味しそうに食べていたから。
ずっと一度食べてみたいなーって思っていたの。

でも、猫はチョコレートを食べられないでしょ。

だからひとつき前から、毎晩お月様に、僕を人間にしてくださいってお願いしてたの。
お月様はやっと僕の願いをかなえてくれたみたい。

もぐもぐもぐ。

あまーい。

しあわせー。
【終わり】
フリー朗読台本まとめページ
フリー朗読台本【面白い】