『坊ちゃん』あらすじ 感想|夏目漱石のおすすめ小説

授業が始まった

さて授業が始まりました。

今まで学生だった坊ちゃんにとっては「先生」と言われるのは変な気分です。

たくましい男子学生40人の前に立って緊張気味の坊ちゃん。

坊ちゃんはどちらかというと小柄で華奢なようです。

何とか平気なふりをして講義をしていると、ある学生が、
「あんまり早くて分からんけれ、もちっと、ゆるゆる遣って、おくれんかな、もし」
と言います。

また、他の学生が坊ちゃんに幾何の問題の解答方法を聞きますが、難しくて坊ちゃんにはわかりません。

冷や汗を流しながら
「わからない、この次教えてやる」
と言うと、生徒たちがわあ! 出来ん出来ん、と囃し立てます。

坊ちゃんは
「べらぼうめ、先生だって出来ないのはあたりまえだ。そんなものが出来るくらいなら四十円でこんな田舎へくるもんか」
と捨て台詞を残して、教師の控所へ向かいました。

教師ははたで見るほど楽じゃない、と思いながら下宿に帰ってくると、下宿の亭主(骨董屋です)が骨董を勧めてきます。

もちろん坊ちゃんは骨董にまったく興味なし。

俺はそんな呑気な隠居のやるようなことは嫌いだと断ります。

坊ちゃんは毎日学校に通い、終われば下宿に帰ってきます。

仕事が嫌になればやめればいいと考えているので、それほど自分の評判や人間関係に思い悩むこともありません。

しかし下宿では下宿の亭主がしつこく骨董をすすめてくるのでそれが嫌でたまりません。

そのうち学校も嫌になりました。

ある日坊ちゃんは蕎麦屋を見つけて入ったのですが、そこに学校の生徒がいました。

何気なく挨拶をした後、坊ちゃんは天ぷら入りそばを四杯たいらげました。

次の朝学校に行くと、黒板にでかでかと「天ぷら先生」と書いてあります。

生徒たちが坊ちゃんの顔をみてわあ! と笑います。

坊ちゃんが
「天ぷらを食っちゃ可笑しいか?」
と聞くと、生徒の一人が
「しかし四杯はすぎるぞな、もし」
と言いました。

その教室での授業をすませ、休み時間の後、次の授業の教室に入りました。

今度は黒板に「天麩羅四杯なり。但し笑うべからず」と黒板に書いてあります。

その授業も終わり別の教室に入るとまた天麩羅関連のことが黒板に書いてあります。

坊ちゃんはすっかり腹をたててしまいました。

それから4日して坊ちゃんは遊郭の近くの団子屋で団子を2皿7銭で食べました。

翌日学校に行くと黒板に「団子二皿七銭」「遊郭の団子旨い旨い」と書いてあります。

また坊ちゃんはこの町に来てから、毎晩温泉に行っていたですが、その時に赤く染まった手拭いを首にかけていました。

それで生徒たちの坊ちゃんの呼び名が「赤手拭い」になってしまいました。

また坊ちゃんはいつも温泉で泳いでいたのですが、ある日から銭湯に「湯の中で泳ぐべからず」と札が貼ってありました。

坊ちゃんの知る限り、湯の中で泳いでいるのは、自分だけだったので、坊ちゃんは俺のことを言っているのかな? と思いました。

そして翌日学校に行くと黒板に「湯の中で泳ぐべからず」と書かれています。

自分の行動が見張られているようで坊ちゃんはうんざりしてしまいます。

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