スサノオノミコトとヤマトタケルノミコト|古事記のあらすじ

うけい

二人はうけいを始めました。

アマテラスはまずスサノオの佩いていた十拳の剣をうけとると、三つに折って口の中に含んで、噛みしだいたあと、吐きだしました。

アマテラスによって吐き出された十拳の剣からは三人の女神が生まれました。

生れた三人の女神の名前は……

多紀理毘売命 (タキリヒメノミコト)。またの名は奥津嶋比売命(オキツシマヒメノミコト)。
市寸嶋比売命(イチキシマヒメノミコト)。またの名は狭依毘売命(サヨリビメノミコト)。
多岐都比売命(タキツヒメノミコト)

次はスサノオがアマテラスのみずらや両手首にまきつけられていた勾玉を受け取ると、それを口に含み、バリバリとかみしだくと吹きき出しました。

それによって五人の男神が生まれます。

左の角髪から生まれた子   正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)

右の角髪の勾玉から生まれた子 天之菩卑能命(アメノホヒノミコト)

みずらにに巻いていた珠から生まれた子  天津日子根命(アマツヒコネノミコト)

左手にまいている珠から生まれた子  活津日子根命(イクツヒコネノミコト)

右手に巻いていた珠から生まれた子   熊野久須毘命(クマノクスビノミコト)

アマテラス

あなたが生んだ五人の男の子は私が持っていた勾玉や珠から生まれたから私の息子ね。

私が生んだ三人の女の子は貴女の剣から生まれたからあなたの娘ね。

さてここでスサノオは

スサノオ

俺が男の子を生んだということは、つまり私のこころが清いことの証明です。

がはっはっはっはっ!

と勝手に勝利を宣言してしまいます。

よく考えたらうけいをする前に、結果が〇〇だったら身の潔白が証明される、という取り決めをしていませんでしたね。

ですからどういう結果がでたら、スサノオが潔白なのかそうでないのか、判断のしようがないはずなのですが……

なぜか我が国の最高神であるアマテラスさまはスサノオの言うことに納得してしまい、スサノオを高天原に受け入れることにしました。

この辺のゆるさが古事記の魅力でもあります。
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おススメ(日本神話を題材にした中編小説です)

クマソタケルの館にて

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