ホーム【長編小説】小虎【1人用朗読(声劇)台本として使用可】 『小虎』第3章 竹馬の友【1人用朗読(声劇)台本として利用可】 1人用声劇台本まとめページ お稚児さんを首になって一週間たった。 一月にしては比較的暖かな、 午後だった。 私は怖かったことも、 母に悪い子と責められて悲しかったことも、 すっかり忘れていた。 写真館に行った夜に引いた風邪が治ると、 二郎叔父がお祝いに玩具を買ってくれた。 電動式の、 シンバルを打つ猿のぬいぐるみだった。 猿を片手に廊下から部屋に入ると、 叔母が隣町から遊びに来ている。 祖母とこたつで向き合ってお茶を飲んでいる。 1 2 3 4 5