ホーム【長編小説】小虎【1人用朗読(声劇)台本として使用可】 『小虎』第4章 小虎【フリー朗読(声劇)台本として利用可】 1人用声劇台本まとめページ 悪餓鬼どもが方々に散っていくと、 お兄さんは険しかった顔をゆるめた。 私をふりむいた。 「家はどこ? 怪我をしているから送ってやるよ!」 道すがら話をした。 少年の名前は木林虎之助。 でも彼の叔父さんの名前も虎之助だったので皆、 彼のことを小虎と呼ぶという。 隣の小学校に通っていて、 私より三学年上だった。 私が自己紹介をすると、 小虎は驚いた顔をした後、 訳を説明してくれた。 彼の母親が私の祖父と父の経営する病院で 受付の仕事をしているのだという。 1 2 3 4 5 6 7 8