私は小学生の頃、
同じ学級の男児となじむことができなかった。
もともと女の中で育った子供だった。
それに父や母が少年漫画もファミコンも悪いものとして買ってくれない。
それに夢中な同年代の少年達とは話が合わなかった。
黄色い帽子をかぶってひよこみたいによちよち歩いていた一年生も、
二年生、
三年生と進むうちに性別を意識するようになる。
何かにつけて、
男子だ、
女子だ、
と区別するようになった。
私が昼休みに、
女の子達に混じってゴム飛びしていると、
午後の授業では先生まで交えてクラス中で私をからかった。
そんな時に男子がゴム飛びしたっておかしくないと思います、
そんな風に男はこうでなければいけない、
女はこうでなければいけないというのは古い考え方だって、父や母は言っていました、
と颯爽と発言して私をかばってくれる少女がいた。
竹中さんという髪をポニーテールにした女の子だった。
彼女はクラスで男子も女子も含めて一番背が高かった。
母など若い先生かと思ったわ、
という程大人びた外見をしていた。
私は彼女がずっと年上のお姉さんのように感じられた。
彼女は私にいつも気をつかってくれる。
私が昼休み遊び友達がいない時や、
グループを作る時、
余ってしまうと仲間にいれてくれる。
彼女と私が連れ立って歩いていると、
のみの夫婦だ!
と後から囃し立てる声がする。
私が狼狽していると、
気にしにないの、
みんな羨ましいだけなんだから、
とクスリと笑った。
ある日私は、
竹中さんと仲良しの女の子の誕生会に行った。
男の子も来てくれたのね!
蝶ネクタイ可愛いわね!
とその女の子のお母さんと高校生のお姉さんから、
ちやほやされて有頂天だった。
子供部屋のサンリオキャラクターのテーブルにはお菓子がびっしりと敷き詰められている。
少女達が不二家のペコちゃんとポコちゃんが乗ったケーキをつついている。