お母さんとお姉さんが部屋から出て行ってしまった後だった。
かしましげに、
ませた格好の少女達が入ってきた。
黒と白の水玉のティアードスカートにスパッツとか、
黒地にショッキングピングのロゴの入ったボートネックのTシャツを着ている。
先ほどまで話題は入院している友達のための千羽鶴や、
学芸会のお芝居だった。
それが彼女達が来てからは、
ファッションだとか高校生の恋愛を描いた少女マンガだとか、
アイドルだのに変わった。
私は一人ついていけずにテーブルを見つめて黙っていた。
竹中さんを探したが見つからない。
何で男がいるわけ!?
という鋭い声が耳に入った。
声のする方に顔を向けるとクラスでリーダー格の少女が
私に意地悪そうな目線を向けていた。
まぶたはほんのり色づき、
唇はあきらかに人工のピンクである。
竹中さんは?
と大人びた格好の少女達よりは親しみを感じていた、
別の少女に聞いた。
彼女によると竹中さんは塾があるからさっき帰ってしまったとのこと。
ファッションナブルな格好の少女達は性悪げに笑いながら、
こちらをちらちらと見ている。
私は僕も塾があるんだ、
と子供部屋を抜け出した。