『クマソタケルの館にて』第3章【フリー朗読(声劇)台本として利用可】

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「ぎえええ! ぐあああ! があああ! ぎょああああ!」

獣の泣き叫ぶような声と腕の上で鮫(さめ)が跳ね回るような感触で私は一気に目を覚ました。

コウス様が私の腕の中で体を激しくくねらせている。

両腕両足を、
天敵から逃げる鳥の羽ばたきのようにバサバサと動かしている。

顔の肉をひきつらせるように目を大きく開き、
葬式に伴う女達のように泣き叫んでいらした。

私はコウス様の体を葦の原に落さないように脚をふんばりながら、
どうなさったのです? と訳を尋ねると

「あれじゃ駄目だ! 親父に俺がやったって証明できない!」

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