【フリー朗読台本】ぽかぽかの幽霊【泣ける:279字】【猫ちゃん】

朗読(声劇)台本としてお使いになる際の注意事項
三月みつきまえに十七歳で虹の橋を渡ったあの子が、
今朝の明け方枕元に遊びにきたんだ。

ざらざらの舌で私のほおをぺろぺろして
ぷにぷにの肉球で私の肩をふみふみして
もふもふのしっぽで私の腕をなでなでしてくれたよ。

あれは気のせいだったのかな?
それにしては随分としっかりした感触だった。

あれは夢だったのかな?
でもあの時私は確かにもう目覚めていた。

そうだ。
今日はあの子の月命日つきめいにちだったね。
やっぱりあれは幽霊だったのかな?

でもおかしいね。
幽霊っていったら普通は涼しそうなのに、
あの子の幽霊は湯たんぽみたいにぽかぽかだったんだよ。
【終わり】
フリー朗読台本まとめページ
フリー朗読台本【切ない】