はじめに
フリー朗読台本として利用可能な小説です。
日本神話の英雄ヤマトタケルの伝説から着想を得た詩になります。
古事記に書かれている古い和歌(ヤマトタケルの葬歌)をサビとして使っています。
白鳥となったヤマトタケルを泣きながら追いかけるヤマトタケルのお妃さまたちをイメージしました。
本文
あの方(人)は
空へと帰る
白い翼大きく広げ
小さくなる羽ばたきを聞こうとして
私は指がもげるまで
つまさきだちする
あさじのはらこしなづむそらはゆかずあしよゆくな(あさじのはら腰なづむ空は行かず足よ行くな )
白い鳥は
吸い込まれていく
翼と同じ白い雲へ
翼と雲をみわけようと
私は空に呑まれるまで
天をあおぐ
うみがいかば こしなづむ おおかわらの うえくさ うみがはいさよう(海が行けば 腰なづむ 大河原の 植ゑ草 海がはいさよふ)
白い鳥は
また低く飛ぶ
最後の別れを告げるように
その姿を心に刻もうと
私はひび割れるほど
瞳をこらす
はまつちどり はまよはいかず いそづたう(浜つ千鳥 浜よは行かず 礒伝ふ)
あとがき、解説
古事記、日本書紀に出てく和歌をJ POPの歌詞の英語のサビのように、現代文の詩の中にいれてみました。
この詩で使っている歌はヤマトタケルの葬歌になります。
歌の解説については分かりやすく説明している他サイトページのリンクを貼っておきます。