朗読(声劇)台本としてお使いになる際の注意事項
遠くアフガンにて
見いだされし金の粉散る瑠璃は
群青(ぐんじょう)の空に金の星降る
さばくの夜を
さばくの夜をこえ
ティグリスのほとりにたどりつきぬ
(間)
スメルの匠(たくみ)に
授けられし金の星降る瑠璃は
六月(むつき)の汗、吐息(といき)、鑿(のみ)、錐(きり)を受け
生まれ変わりぬ
みごと生まれ変わりぬ
天(てん)の牡牛(おうし)の形代(かたしろ)へと
(間)
聖なる牛の似姿
青く輝く瑠璃の首飾りは
ウルクの富貴なる神官の胸にて
味わいつくす
すべてを味わいつくす
この神の木偶(でぐ)の土にかえる日まで
(間)
わがもろての中で
やさしく光る瑠璃の牡牛(おうし)は
昔の輝きを失えども
語り伝えぬ
今なおかたり伝えぬ
五千年前の砂漠の夜を
【終わり】
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