夏目漱石『それから』あらすじ

代助の縁談

代助は父親に呼ばれます。

行ってみると父は代助にこう聞きます。

「御前はこれから先いったいどうするつもりなんだ?」

特に何も考えていない代助は答えられません。

かといって嘘をつくのもはばかられました。

父は次に

独立の出来る丈の財産が欲しくはないか?

と尋ねます。

代助が勿論ほしいと答えると、父はそれだったら例の長井家と因縁のある娘と結婚したらよいだろう、と言います。

その財産はその娘がもってくるのか、父が結婚のお祝いにくれるのかはわかりませんでした。

次に父は洋行はしたくないか? と代助にたずねます。

しかし父によると洋行にはまずその娘との結婚が必要だと言います。

代助が「そんなに僕がそのお嬢さんと結婚するのが必要なのですか?」と尋ねます。

父はついに怒り出します。

父は「別に家のためにその娘と結婚させたいわけではないと言います。別に好きな女がいるならその女と結婚したっていい。おまえもう三十歳じゃないか、いい加減結婚してくれなかったら世間体が悪い……」などと言います。

どうやら父親は、因念つきの娘と自分の息子を結婚させることは二の次で、それよりも代助になんとか身を落ち着けてほしいようなのです。

そこまで代助に結婚してもらいたいのは息子への愛情もあるでしょうし、世間体もあるでしょう。

財産や洋行……というのは今時の若者が喜びそうなことを言って結婚させるためのあの手この手なのでしょうか?

ちょっといたれりつくせりすぎて一般人から見たら、代助のお坊ちゃんぶりは別世界すぎますね。

財産をあげるから、洋行させてあげるから結婚しなさい、というのはまるでおもちゃやお菓子を買ってあげる〇〇しなさい…… と小さな男の子に言っているようです。

父親はまだ代助を子ども扱いしているのです。