『坊ちゃん』あらすじ 感想|夏目漱石のおすすめ小説

宿直の日の事件

坊ちゃんの中学校では職員が交代で宿直をやっていました。

坊ちゃんにもその番が回ってきます。

坊ちゃんは寄宿生たちと同じまかないの夕食を食べましたが、時刻はまだ4時。

寝るには早すぎるので温泉に行きます。

途中で校長と山嵐に会いました。

宿直は本当は出歩いてはいけないので、二人は坊ちゃんを批判しますが、坊ちゃんはどこ吹く風。

宿直部屋に戻り寝ようとすると、何かが足に飛びつきました。

驚いてケットをはがすと、布団の中からバッタが5,60匹飛び出してきました。

バッタの退治には30分もかかり、その後はさらに掃除までしなければいけませんでした。

掃除の後、寄宿生を呼び出して悪戯を叱ろうとした坊ちゃん。

しかし出てきた寄宿生たちは平気な顔をしています。

「なんでバッタなんか、おれの床の中へ入れた」と聞けば、寄宿生は落ち着いた様子で「バッタた何ぞな」

坊ちゃんがバッタの死骸を生徒に見せ「バッタたこれだ、大きなずう体をして、バッタを知らないた、何の事だ」というと、生徒は「そりゃ、イナゴぞな、もし」

生徒たちは「イナゴは温い所が好きじゃけれ、大方一人でおはいりたのじゃあろ」といつまでたっても悪戯を認めません。

坊ちゃんはむかむかしながらも生徒たちを帰して床に就くと、頭の上でどんっと足拍子がします。

3,40人はいそうで、二階の床が落っこちるほど激しく、どん、どんと床板を踏み鳴らす音がしたのでした。

それとともにわあっという生徒たちの声も聞こえます。

「静かにしろ!」とどなりながら声と音をさがして走り回っているうちに坊ちゃんは怪我をしてしまいます。

ついに生徒を捕まえて詰問しますが、だれも反省の色をみせません。

この騒動が校長にも伝わりますが、校長は厳しく生徒を罰しようともせずに、坊ちゃんに「あなたもさぞご心配でお疲れでしょう」と言っただけでした。

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