『坊ちゃん』あらすじ 感想|夏目漱石のおすすめ小説

坊ちゃん釣りに行く

坊ちゃんは教頭の赤シャツに沖釣りに誘われます。

赤シャツの子分の野太鼓も一緒です。

坊ちゃんは釣りに興味はないのですが、いつもながらの「相手に馬鹿にされたくない」という動機から同行することになりました。

舟に乗って沖に出ます。

文学士の赤シャツは釣りの合間に横文字の言葉をいいます。

「ターナー」「ロシア文学」「マドンナ」等。

「マドンナ」という女性の話をする二人の会話を聞いて坊ちゃんは「マドンナ」とは赤シャツのなじみの芸者だろう、と思います。

赤シャツと野だいこの会話は坊ちゃんには意味が分からないものが多く坊ちゃんは不機嫌になります。

野だいこは赤シャツをしきりに持ち上げ、また赤シャツの言うことにすべて同意します。

三人ともあまりたいした魚は連れません。

釣りにあきた坊ちゃんが仰向けになり、空を眺めていると、二人はひそひそ。

聞き耳を立てると、「知らないんですから……罪ですね」「バッタ……」「天麩羅……」「団子……」「堀田が(山嵐の本名)……」「……煽動して」
とか意味ありげな単語が聞こえてきます。

帰り際に赤シャツと野だいこは坊ちゃんに「君、注意しないといけませんよ、いろいろな事情があってね……君も腹が立つかもしれませんか辛抱してくれたまえ。けっして君のためにならないような事はしないから」

坊ちゃんが事情とは何かと尋ねれば
「それが少し込み入っているんだが、まあだんだん分かりますよ。僕が話さないでも自然と分かって来るです」
と意味深なことをいいますがはっきりとは話してくれません。

赤シャツはホホホと笑ってこう言います。

「無論悪わるい事をしなければ好いんですが、自分だけ悪るい事をしなくっても、人の悪るいのが分らなくっちゃ、やっぱりひどい目に逢うでしょう。世の中には磊落らいらくなように見えても、淡泊なように見えても、親切に下宿の世話なんかしてくれても、めったに油断の出来ないのがありますから……。(後略)

下宿の世話をしてくれたのは数学の主任の山嵐です。

山嵐がなにか怪しいのでしょうか?

彼が生徒を煽動してあんな事件を起こしたのでしょうか?

山嵐は生徒たちに一番慕われている教師ですからやろうと思えばできそうです。

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