『坊ちゃん』あらすじ 感想|夏目漱石のおすすめ小説

山嵐は悪いやつ? それともいいやつ?

坊ちゃんは赤シャツと野だいこの言葉を思い出します。

山嵐が生徒たちを煽動して自分にあんな悪戯をさせたのだろうか?

それならあいつと仲良くするのはよそう。

坊ちゃんは出勤初日に山嵐に氷水を奢ってもらったのですが、そんなやつに借りを作ったままにしたくない! と思います。

氷水の代金一銭五厘を帰そうと思って翌朝、お金を握りしめて、学校に行きます。

山嵐にお金を返そうとした時でした。

山嵐は憤然とした様子で別の話題をだします。

坊ちゃんに下宿を出てほしいというのです。

なんでも下宿先の主人が乱暴者の坊ちゃんを不満に思っているらしい。

坊ちゃんがおかみさんに足を拭かせたとか……

でも坊ちゃんはそんなことをした覚えはありません。

その日は教師がみな集まっての会議となりました。

議題は坊ちゃんに悪戯をした生徒たちの処分です。

坊ちゃんは生徒たちが自分に謝るか、そうでなければ辞職してやる! と言う考えでした。

しかし大部分の教師たちは「寛大にしましょう。厳しく罰せばかえってよくない」というものでした。

それに悪いのは生徒たちだけではない、教師や学校も悪いのだ……と言います。

その中たった一人「悪いのは100%、生徒たちだ、厳しく罰して、坊ちゃんに謝らせるべきだ」と言ったのは山嵐でした。

結果として悪戯をした生徒たちは一週間の外出禁止、そして坊ちゃんの前に出て謝ることになりました。

会議の最後に赤シャツはこんなことを言います。

「教師は社会の上流に属する人間だから行動もそれに伴っていないといけない。
たとえば蕎麦屋とか団子屋のような下等なところに出入りすべきではない。
食べ歩きのような下等な趣味ではなく、それより釣りをしたり、新体詩を作ったり、文学に触れたりなどの精神的な娯楽を楽しむべきである」

むっとした坊ちゃんは赤シャツに「マドンナと会うのも精神的娯楽ですか?」と尋ねます。

赤シャツは黙りますが、うらなり君(英語教師)は青くなります。

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