『坊ちゃん』あらすじ 感想|夏目漱石のおすすめ小説

下宿を変える

坊ちゃんは山嵐に言われた通り骨董屋の下宿を出ます。

適当に歩いて下宿が見つかったらそこに住むことにしよう、と街をあてどもなくぶらぶらします。

行きついた場所は鍛治屋町という士族屋敷の多い地域。

下宿は見つかりそうにありませんから、近所に住んでいる、英語教師のうらなり君に紹介してもらうことにしました。

うらなり君に紹介してもらって新しい宿に落ち着きました。

士族の老夫婦の家でしたが、彼らは家の広さの割に人が少ないので誰かに貸したいと思っていたのです。

ある日坊ちゃんは、下宿先の老夫人から赤シャツが言っていた「マドンナ」という女性の正体を聞きます。

「マドンナ」は芸者ではなく、この近所に住む、遠山家という良家のお嬢さんでした。

近所では一番の別嬪なのですが、なんとうらなり君の許嫁だったのです。

ところが昨年うらなり君の父親が亡くなってから、うらなり君の家の暮らし向きが思わしくなくなり、結婚がのびのびになりました。

其処へ赤シャツが遠山家に是非マドンナをお嫁にほしいと結婚を申し込んだのです。

遠山家はうらなりの家との約束があるのであいまいな答えをしたのですが、赤シャツは遠山家に出入りして、マドンナと仲良くなってしまいました。

(ただたんに仲良くなったたのか、恋愛関係になったのかははっきりしません。ともかくマドンナは今はうらなり君より赤シャツと結婚したいと考えるようになってしまったわけです)

山嵐が許嫁を取られたうらなり君をかわいそうに思って赤シャツに意見しに行きました。

赤シャツは「別に自分はマドンナと結婚する気はない、ただ単に遠山家と交際しているだけだ、遠山家と交際したってべつにうらなり君にすまないことはないだろう」と言います。

そう言われては山嵐はそれ以上は何も言えなくなってしまったのですが、それ以来赤シャツと山嵐は仲が悪いのです。

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