谷崎潤一郎『少年』あらすじ

仙吉

二人が西洋館の2階を見上げていると、「坊ちゃん、三人で何かして遊びませんか」
という声がしてそこには二人より少し年上の少年が立っていました。

仙吉といって、栄ちゃん、信一が通う学校の上級生で、毎日のように年下の子供をいじめているガキ大将です。

なぜ仙吉がこここにいるかというと、仙吉は信一の家の馬丁の子だったのです。

信一が「仙吉、仙吉」と呼び捨てしているのに対して、仙吉は信一に「坊ちゃん、坊ちゃん」とご機嫌をとっています。

親に身分の差があるとはいえ、この女の子のような信一が、年上で乱暴ものの仙吉を従えている様子を見て栄ちゃんは

其の時私は、猛獣遣いのチャリネの美人を見るような眼で、信一を見ない訳には行かなかった。

と思います。

そんなら三人で泥坊ごっこしよう。

あたしと栄ちゃんがお巡査まわりさんになるから、お前は泥坊におなんな

信一がこう言うと、仙吉は

なってもいゝけれど、此の間見たいに非道ひどい乱暴をしっこなしですよ。

坊ちゃんは縄で縛ったり、鼻糞をくッつけたりするんだもの

栄ちゃんはこんな二人の会話を聞いて驚きます。

この女の子のように可愛らしい信一が荒くれた熊のような仙吉を縛ったり苦しめたりしたというのでしょうか?